金利なき世界 〜日銀の目指すもの〜

私は経済学を専攻した訳ではないので、的外れな部分もあるかと思いますが、最近の日銀の暴走に関して思うところを書いていきたいです。

先日日銀は債券の連続指値オペを実施しました。

何が何でも長期金利を定位に保つという固い意志が感じられます。

それに加えて日米金利差の拡大により、為替は1ドル123円と一気に円安に進みました。

そもそも、何故金利を低く保ちインフレに誘導する必要が?

これは、おそらく1000兆円に達する我が国の債務のためと思われます。

インフレとは物価上昇なのですが、言い方を変えれば貨幣価値の低下でもあります。

つまり、金利を低く保ち、更にインフレ誘導により裏技的に借金の額や借金の利息を目減りさせられるのです。

我が国は基本的に生活必需品は輸入で成り立っているので、これはもう円安になるとインフレに直結します。

実際、この半年くらいで信じられないくらい小麦が、ガソリンが、お菓子が、外食が値上がりしましたね。

円安は、我々一般生活者にとっては敵ですが、大企業には輸出企業が多いので経済界や株価は円安を割りと歓迎します。

国民にひたすらツケを支払わせる

ここまで読むと、結局全てのツケを国民に支払わせようという意図が透けて見えてきましたね。

悪い円安と、コストプッシュ型のインフレ、そして財務省はお馬鹿なので必ず近いうちに「コロナで財政出動したので増税しますー」と宣うでしょう。

全てが国民生活にのしかかってきます。覚悟しておきましょう。

私も株はやっているので、円安は歓迎な部分もありますが、信念としてはやはり間違っていると思います。

通貨安は国力の低下を表しますし、そもそもバブル崩壊後、ちゃんと内需、そして潜在成長率を強くしていればこんな事にはならなかったのです。

ひたすら輸出依存のやり方は中国というライバルが台頭してからは通用しなくなったのは明らかだったのですから。

いま必要なのはやはり「内需」「潜在成長率」なのです。時間が掛かる分野なので誰もやりたがりませんが、教育や研究開発、農業などを拡充すべきです。

そしてアベノミクスが形骸化したのは、誰のせいか?

目先の人気取りに奔走して潜在成長率を疎かにしてきた政治家、デフレに悩んでいるあの時代に的はずれな緊縮財政を強いた財務省のせいです。

日銀だけが「大規模な金融緩和」を続けた結果、それによって本来得られるはずの果実は得られず、いたずらに株価だけが上がる。投資家と大企業だけが潤うという歪な市場が形成されました。

同時に責任の一端も国民にある

すべての責任は彼等にあると言い切ることは出来るのでしょうか?

日本は曲がりなりにも民主主義ですから、そんな連中を選んだ国民にも責任の一端はあります。

マネーゲームに興じて、投資は国家のため社会のためという原則を忘れた投資家にも責任はあります。

金利無き世界は、進化なのでしょうか?退化なのでしょうか?

終わってみないと分からないことですが、今の状況が歪なことに間違いはないので、必ずツケを支払う日は来ると思います。

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