不動産に掘り出し物は無いという話は本当か?

よく不動産は、必ず適正価格に収斂するので掘り出し物物件など存在しない。という人がいます。果たして本当にそうなのでしょうか?

ある意味的を射ているが、2つの視点が抜けている

不動産には適正価格というものがあります。売買の場合は、値付けをするのは大抵不動産屋(誰でも査定額や、アドバイスを元に売り出し価格を決めるという意味で)なので、その辺の相場観は心得ています。

土地値には路線価という国が定めた価格があります。

買う側も相場を知ってるので、余りに高く売り出しても誰も買わないのです。たまに間違えて値付けされる事も無くはないので、それはチャンスと言えましょう。滅多にはありませんが、投資用物件の場合積算評価と収益評価を片方しか見ていない不慣れな不動産屋さんのために、そういう現象が起こる事もあります。

では、全ての不動産は適正価格に収斂するのか?

それは、YESでもありNOでもあります。要は少々乱暴な言い方なのです。そこには2つの視点が抜け落ちているのです。

では、私が言う2つの視点が抜け落ちているというのはどういう事なのでしょうか?これから説明します

その1 時間軸が抜け落ちている

不動産は、川上と川下の情報があります。ポータルサイトに出て来ている情報は、実はすべからく川下(というか河口付近)情報なのです。

本当に美味しい案件は、いきなりそんな所に掲載したら問い合わせが殺到して不動産屋さんもパンクしてしまうので、実は内々で(知り合いとか、付き合いのある不動産投資家とか)で素早くやり取りされてしまいます。

不動産には掘り出し物が無いというのは、あくまで川下での話です。

大抵川下まで流れて来る案件は値付けが高すぎるので、川上で取引されず、結果仕方なく流れて来る物なのです。

逆説的ですが、川上で秘密裏に売れてしまうような案件は「美味しい案件」の場合が多いです。何故なら、そこで売れているからです。

その2 ある人にとっては価値が低くてもある人にとっては掘り出し物

例えば、雨漏りがあって床が腐ってるけど、土地値以下で物凄くお値打ちな物件があったとします。

大抵の投資家は、リフォーム費用を計算して、採算が合わないので「陳腐な物件」「割高な物件」として購入を見送ります。

しかし、リフォームに長けた投資家ならリフォーム費用を圧縮できるので、その物件はたちまち掘り出し物に変わります。

それと同様に、辺鄙な立地で客付けが難しそうな物件があったとします。

普通の投資家は、家賃をかなり下げないと埋めれないから採算が合わないな、と判断しますが、集客に長けた投資家なら、そんな事は問題にしません。

そうすると、「大多数の人にとっては」掘り出し物物件など無いが、「特定のスキルを持つ人」「特定のタイミングで買える人」にとってはその限りではないのです。

そして、不動産の面白い所は自分の努力や勉強で「大多数の側」から「特定の側」へ移動する事が出来る点です。

努力と根性でどうにかなるのです。

これは、他の投資には絶対にない事です。以前にお伝えした「不動産は投資なのか事業なのか?」という記事にもリンクしますが、それ故に私は不動産は投資ではないと考えるのです。

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不動産は投資なのか、事業なのか