我が家の資産ポートフォリオ その1
投資格言に「1つの籠に(沢山の)卵を入れるな」という物があるのをご存知でしょうか?
これはつまり、資金の運用先をなるべく分けましょうという意味です。
1つにまとめた卵(同一の運用先に一極集中した資金)は、その籠(運用先)に何かあったら全て割れてしまいます。
この資金の運用先の配分をポートフォリオといいます。今回は我が家のポートフォリオを公開します。
その1・時間的視点
以前の記事で、資産の運用先は「短期的」「中期的」「長期的」に分けられる事と、上手にそれらを織り交ぜる必要性を説明しました。つまりは「時間的視点における分類」です。
短期的運用先はすなわち「普通預金」「短期の定期預金」です。まずここから話しましょう。
短期的運用先
短期的運用先についてですが、例えば財産の大部分を株式や不動産といったリスク資産に入れてしまうと、咄嗟の出費に対応できなくなります。
この運用先は「増やさなくてもいい」ので「減らさない」そして「いつでも動かせる」必要があるのです。
我が家の場合、共働きなので妻の給与口座は生活費用にしており、増え過ぎず減りすぎないように、常時250万〜300万に維持しています。
なぜこの金額かというと、我が家の毎月の生活費が大体25万程度なので、最悪働けなくなっても1年間は食い繋げるためです。
生活費はさほど振れ幅は無いので、家計簿をつけていれば毎月の出費は計算出来るので、不足気味なら夫の口座からの定額送金で調整し、オーバー気味なら幾らか物件購入や物件修繕に回してもらう訳です。
なお、夫婦の小遣いもここから出していました。夫8000円妻12000円です(笑)
次に、夫の給与口座を「投資運用口座」とします。この口座は毎月の生活費以外の全てを集めます。
当然無駄遣いが出来ない仕組みなので、みるみる溜まっていきます。そしてある程度溜まったら不動産物件を買うのです。
買えばゼロに近くなる事もありますが、もう一つの口座でリスクヘッジしているので、怖くはありません。すぐに元の金額に戻ります。
物件を買えば買うほど、成功すればするほど貯まるスピードが早くなるので、一種の複利効果が生まれます。投資で得た資金は投資に回すというスタンスです。
これなら夫婦どちらも家計を完全に見える化出来るし、少し利益を得たからといって安易に生活水準を上げて資産形成の足を鈍らせる事が無くなります。
夫婦それぞれが「自分で稼いできたお金は自分の好きなように使うよ」と言い始めると必ず「余った分だけ貯金しよう」とか「相手が上手くやってくれているだろうから少しくらい遊んでもいいや」「相手がいくら使ってるか不安。自分は自分で稼いだお金を自由に使えず損してないか?」という事になるのです。
それなら、全体主義と言われようとなんと言われようと、家全体として資産形成していくための仕組みづくり。ロードマップ作りをすべきなのてす。勿論妻が協力してくれないと駄目なので、お小遣いは妻の方が多くしますし、時々ご馳走してあげたりします。
でも、実はこの方法の方がそれぞれが勝手を出来ないため協力プレイになるので夫婦の仲も良くなったりすると思います。
「見える化」と「分業」これがポイントです。短期的運用先は、保険であると同時に、どれだけ早く効率的に投資していけるかのスピードの源泉でもあるのです。とても重要です。
中期的運用先
次に中期的運用先としては、子供の教育資金や親の介護資金の確保が目的となります。独身の方なら結婚資金もそうですね。
この運用先は、すぐに動かす必要がない代わりにある程度増やしていく必要があります。
何年も資金を塩漬けにするのに全く増えないのでは、非効率だからです。そしてそれ以上に中期〜長期になるとインフレのリスクを意識する必要があります。
我が家の場合、これに当たるのが積立NISAでした。
株式は値動きの激しいリスク資産ですが、一般的に10年以上も積み立てるとドルコスト平均法が効いてきて、極端に損をする確率が低くなります。
10年物の個人向け国債や、米国債で運用していた事もありました。債券は償還期限があり、決められた年数保有すれば元本保証なので、割りとこの用途にはお勧めです。
ただし、外国債券の場合為替リスクがあるので注意しましょう。
学資保険もここに分類されますが、インフレに弱いのと、途中で解約するとほぼ100%損する事、そして長引く低金利で利回りが期待出来ないため私は除外しました。
長期的運用先
次に、長期的運用先としては、不動産やiDeCoがあります。この運用先はとにかくインフレに強い事が求められます。
不動産は家賃収入なので変動幅が少なく、計画が立てやすいです。ただし、株式のように短期で大きな利益を得る物ではありません。
短期売買をすればその限りではありませんが、個人の場合そもそも5年以上保有しないと売却時に大きな税金が掛かりますし、やはり不動産の旨味は「時間を味方に出来る」点では無いでしょうか。
流動性(どのくらいの期間で現金化出来るか?)の面でも株式や債券には劣ります。
iDeCoは、ある年齢までは引き出せないので完璧に長期運用先ですね。
我が家は不動産をやっているので、実はiDeCoは(手元資金が減る=買い進めが遅くなるために)余り好きでなかったりします。リスク分散のためにある程度の金額は積み立てていますが。
安定した収入源が給与だけの人や、老後資金に不安がある自営業の方には、節税面含めて、有利な運用先だと思います。
ただまあ、資産形成というよりは節税的な性格が強いと思います。
積立NISAに比べると、出口に柔軟性が乏しいため、最終的に株価が下落している可能性もあります。利回りも地方の中古不動産には劣る場合が多いです。
また、積立型の生命保険もここに分類されます。ただ、私の投資哲学として「投資は投資」「保険は保険」と切り離して考えているので、私は積立型の生命保険に加入した事はありません。妻にも解約させました。
理由は積立型よりも掛け捨ての方が保険内容が充実している事が多いのと、保険の世界は日進月歩なので、次々により良い保険に切り替えられる掛け捨ての方が理にかなっていると考えたためです。
最後に、サラリーマンの労働も長期的運用に分類出来ると思います。あなたの時間と労力を投資して、給料というリターンを得ているのです。
セミリタイア出来るのは?
番外編ですが、給与の代わりにするには
①安定した収入を産むこと
②軌道に乗るまで少しづつ軸足を移していく過程があるので、時間的束縛が無いこと(少ないこと)
が必要です。そうなると株式による配当か、不動産の二者択一では無いでしょうか?
ただし、株式による配当で生活するには(不動産のようにレバレッジが使えないため)巨額の投資資金が必要ですし、減配のリスクもあります。
なので、私はセミリタイアするためには不動産一択だと常々言っているのです。
次回は、「リスクリターンによる分類」について触れたいと思います。